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妖女サイベルの呼び声

つい先日購入したばかりの「妖女サイベルの呼び声」、気軽な気持ちで読み始めてみると、ものすごく面白い話でグイグイ惹き込まれた。これは本当に素晴らしいファンタジーですね。

魔術師の血を受け継ぐ一人の女の子サイベル。魔術師として生まれ持った力は計り知れない。しかし、伝説のけもの達と山奥で細々と暮らし、他の人間達との交流は全くないから、特に事件と呼べることも起きない平和な毎日。そこに、戦争で疲れきった一人の男が、赤ん坊を連れてやってきた。サイベルはこの赤ん坊を育てることを引き受けたのだが、数年後この子供を巡りサイベルもまた人々の争いに巻き込まれ…。というのがざっくりとしたあらすじ。

ほとんど一人で生きてきて、愛情というものをほとんど知らなかったサイベルが、赤ん坊だったタム、タムをサイベルの元に連れてきたコーレン、タムの父親であるドリードらと接するうちに、愛情や憎悪など、いろいろな感情を覚えていくくだりだったり、伝説のけもの達との交流だったり、とにかく心理の描写が抜群に上手い。物語終盤のほうで、復讐のために周りが見えなくなりつつあるサイベルの心の移り変わりなんて、読んでてハラハラしちゃったもんなー。

これは極上のファンタジー小説だと思います。読んで損なし。ファンタジー小説に抵抗がないなら必ず読むべし。

妖女サイベルの呼び声 (ハヤカワ文庫 FT 1)

妖女サイベルの呼び声 (ハヤカワ文庫 FT 1)