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自分の趣味について書き散らかす雑記ブログ。

消えた天才騎手

TLに流れてきて知った、「消えた天才騎手」という本を読んだ。第二次世界大戦中に開催された日本ダービーを勝ったクリフジという牝馬の主戦騎手だった前田長吉。史上最年少でダービーを勝ったにもかかわらず、その後大戦に出兵し、その後の足跡がながいこと謎になっていた天才ジョッキーについて、著者が取材で明らかにした事実を一冊の本にまとめたものですね。

この本で描かれている、前田長吉という人がどういう人だったかについて、推測の域をそれほど超えていないのは、当時の本人のことを知ってる人がすでにほとんどいないので仕方ないんですが、より大きなインパクトだったのがクリフジという馬がとんでもない名牝だったということ。ウオッカ以前にダービーを勝った馬、デビューからひと月足らずのうちにダービーに勝利したという程度の知識しか持ってなかったんだけど、通算成績11戦11勝、後続につけた着差はトータルで80馬身以上(うち2戦が大差)、レース名こそ今と違ったとはいえ、オークス菊花賞に該当するレースも勝利して変則三冠達成とか、いろいろと意味のわからない成績を残した馬だったらしい。当然今と競馬をとりまく事情が全然異なっていたわけだし、現代競馬で絶対にこういう馬が出てこないってことも理解してるけども、過去にこういう馬もいたんだなぁと知ることは楽しいです。

競馬好きな人で、馬券以外にも興味があれば、一読して損はないと思う本だと思いますよ。