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なろう小説

面白そうなラノベを読んでみてあとがきまで目を通すと、実はなろう小説*1だったということが増えてきた。なろう小説って俺tueeeな内容の異世界転生ものばかりだという先入観があったんだけど、最近その先入観を覆してくれる作品に出会ったので何冊か紹介してみたい。

辺境の老騎士

辺境の老騎士 1<辺境の老騎士>

辺境の老騎士 1<辺境の老騎士>

<あらすじ>
長年仕えた領主の家に引退を願い出、老騎士・バルドは旅に出た。この世を去る日も遠くないと悟り、珍しい風景と食べ物を味わうために。相棒は長年連れ添った馬一頭の気ままな旅。彼は知らない。それが新たな冒険の幕開けとなることを。
amazonからの引用文

そもそも主人公が老騎士というのがしぶくて良い。というか、舞台がファンタジーになった剣客商売といった趣のお話。いつのまにか仲間が集まっていく過程とかも面白い。話が進むにつれて主人公の爺さんの活躍具合がちょっと神がかったものになりすぎて興ざめていくのが残念なのだけど、2巻までは抜群に面白かった。

異世界料理道

異世界料理道1 (HJ NOVELS)

異世界料理道1 (HJ NOVELS)

<あらすじ>
父親の経営する大衆食堂の見習い料理人、津留見明日太は、父親の魂とも言える三徳包丁を火事から救うべく火の海に飛び込んだ。そして気づけば、そこは見知らぬ密林の真っ只中。イノシシにそっくりの野獣ギバに襲われ、『森辺の民』を名乗るアイ=ファという少女に救われた明日太は、そこが異世界だということを知る。ガスコンロも冷蔵庫も存在せず、人々はただ生きるためにモノを喰らう。料理の概念がない異郷で見習い料理人がグルメ革命を起こす。小説家になろう発大人気異世界料理ファンタジー!
amazonからの引用文

今回あげた3冊のうち、これだけが異世界転生もの。なのだけど、主人公が現世では見習い料理人だったという設定が新鮮で、異世界での試行錯誤ぶりもいろいろ手探りなのが面白い。少しずつ異世界の人たちに受け入れられていく過程とか、読んでいて熱くなってくる。続刊もはやく読みたい…。

北欧貴族と猛禽妻の雪国狩り暮らし

北欧貴族と猛禽妻の雪国狩り暮らし

北欧貴族と猛禽妻の雪国狩り暮らし

<あらすじ>
「ジーク、口付けをしてもいい?」お試し婚中の陽気な辺境貴族リツハルドと、男前の元女性軍人ジークリンデ。トナカイを狩り、ベリーを摘み、凍結湖で魚を釣る。熟成肉の香草焼きに、トロけるチーズとパリパリソーセージ、ほかほかサーモンシチューを作り、食べる。狩猟民族的スローライフを通して、2人は無事、正式な夫婦になれるのか!?
amazonからの引用文

あらすじにスローライフという単語が出てくるくらい、物語はのんびりした内容ではあるんだけど、主人公とヒロインの距離感が少しずつつまっていく過程とか、読んでいて思わずニマニマしちゃう。なんというか、ラノベってカテゴライズが合ってるのかどうかもよくわからないのだけども、面白さは保証します。

いずれにも共通するのが、作中で出てくる料理描写がとても魅力的だということ。食欲はそれほど旺盛はほうじゃないし、日頃も美食家ってわけじゃ全然ないんだけど、小説のなかで美味しそうな料理描写がでてくると妙にそそられるのはなんでなんだろうな。ひょっとすると、料理描写自体に惹かれているわけじゃなくて、そういう描写からすんなりとその世界観を思い浮かべられる筆者の力量に惹かれているってことかもしれない、なんてことをこの文章を書きながら思った。文章で料理描写に説得力をもたせられる=筆者の力量のバロメーター説、思いつきにしては腑に落ちるものがあるかも。

先に上げた3冊は、料理描写だけじゃなく、登場キャラの魅力やキャラ同士の掛け合いの面白さ、物語自体のテンポの良さ、読んでストレスになるような描写のなさ*2など、個人的に好きな小説の条件を満たしていて、とにかく好感度が高い。

いわゆるラノベという枠組みからもはみ出し気味だとは思うんだけども、だからこそ目新しさがあって、しかもストーリーも面白いとくれば、読まないのはもったいないと思うんだよね。近頃のテンプレラノベに食傷気味だけども、気軽に読める本を探している人には、ぜひ一度手にとってもらいたいな。

*1:「小説家になろう」で公開されている小説のことを「なろう小説」と呼ぶのが一般的かどうか知らんけど。

*2:物語を盛り上げるために、悪役のえげつなさを強調するような描写はいらいらするだけで嫌いです。