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「世紀の空売り」読了

「マネー・ショート」鑑賞後に読み始めた原作小説「世紀の空売り」をようやく読了した。

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じっくり理解をはかりながら読んだこともあって想定よりも時間がかかってしまった。もともとそれなりにボリュームのある本ではあるのだけども。それだけの価値のある、とてもおもしろい本だったんだけどね!

読んでみてまず思ったことは、映画化の出来が実にすばらしかった、ということですね。当然映画を盛り上げるための脚色はあるんだけど、大筋から外れることなく、しかも堅苦しくなるわけでもなく、小難しい金融の話をエンタメ要素を取り入れつつ、しっかり魅せる作品に仕上げたってのは凄いことだと思うのですよ。まぁ、そうは言っても、映画だけみて主要キャラたちがやってのけたことを全て理解するのは難しいとは思うのだけど。

だからこそ、原作をじっくりと読んでみることでより理解は深まっていくはず。なぜ住宅ローンという債権が空売りと繋がるのか、抽象化された概念だけでなく、実際に起きたことを踏まえて理路整然と語られていく。その過程で、空売りに賭けて成功する人だけでなく、金融危機で大ダメージをうけたはずの投資銀行にも利益を得た人たちがいる。なぜゆえに人類はなんどもバブルという幻想で痛い目にあうのかって話でもあるのだけど、結局のところ損をする人がいるってことは逆に得をする人もいるってことなんだよね…。

マイケル・ルイス小説の語り口の上手さもあり、一度読み始めていると(時間はかかれども)続きが気になる面白さはあると思う。とは言え、だれもが興味を持てる話かというとそうでもないだろうし、まずは映画をみてみて、つまりどういうことだってばよ…という疑問が残った人はぜひとも原作とじっくり向き合ってみるのが良いのではないだろうか。個人的に、ようやくそれなりに話の全容がみえてきた(と自分では思っているけど、どうだろうか…?)今、改めて映画版を観てみるのも面白そうだなぁと思っていたりする。一部のシーンで、あぁそういうことだったのね、と思う箇所が増えてそうな気がするんだよなー。

あ、あと私はKindle版で読んだのだけど、電子書籍版の巻末にはマイケル・ルイスによる映画化記念著者特別エッセイが収録されていて、これがまた面白い内容だった。マイケル・ルイス小説の映画化は、「ブラインド・サイド」「マネー・ボール」につづいて三度目なのだけど、著者自身今回の映画化はどんな作品になるかいまいち想像ができなかったことや、そもそも自分の小説が映画化されるとはどういうことなのかだったりを、相変わらずの軽妙さで語られてます。「マネー・ボール」つながりでビリー・ビーンもちょっとだけでてくるよ!

マネー・ボール〔完全版〕

マネー・ボール〔完全版〕