Shaw's Home Page(本館)

自分の趣味について書き散らかす雑記ブログ。

北のクラシック前哨戦

今年もいよいよツール・デ・フランドルとパリ~ルーベで盛り上がる時期になりました!先週起こったベルギーのテロ事件の影響がサイクルロードレースにどれだけ影響をおよぼすか心配していたけれど、今のところ前哨戦はキャンセルされずに開催されているので、おそらく本番も予定通り開催されるのではないだろうか。

さて、今週末のツール・デ・フランドルに向けて、すでに3つの前哨戦レースが終了している。ドワーズ・ドア・フランデレン、E3ハレルベーク、そしてヘント~ウェヴェルヘム。いずれもライブ実況で観戦して、とてもおもしろかったのだけど、個人的にはとっても消化不良なのですよ…。

その原因は、なんといってもエティックス・クイックステップの不甲斐なさ!いったいどうなっているの!!ロードレースを観るようになって、いつのまにかクイックステップというチームに魅了されて、そこからはずっとこのチームの応援をしながらレース観戦するようになった。で、このベルギーチームが輝くのは春先のクラシックと呼ばれる一連のレースなのですね。特に石畳が登場するレースには滅法強いという、個性的な職人軍団らしさに惹かれているので、毎年このシーズンが一番応援のし甲斐があるのだけども。今年はどうにも様子がおかしい。

前哨戦3戦とも、クイックステップ視点でみるとレース展開は似たり寄ったりだ。終盤にさしかかろうとしている時点では、これじゃ負けようなくね?というくらい厚い布陣を敷いている。他のチームはエースしか残っていないような状況でも、このチームのメンツは4人くらい残っていて、圧倒的な数的優位を保っている。なのに、最終盤の一番重要なところで後手を踏み、他チームに決定的な逃げを許してしまったあげく、その追走には当然誰も協力しないので、クイックステップのアシスト総出で追走することになる。結果、逃げに追いついてもチームに余力は残っていないし、E3とヘント~ウェヴェルヘムに至っては逃げに追いつくことも出来なかった。

Jスポーツでヘント~ウェヴェルヘムの実況中、このような惨状はなぜ起きているのか?という質問が視聴者から挙がっていて、栗村さんと飯島さんがそれに応えていた。ボーネンの不調であったり、チーム全員がそれなりの実力を持っているけど決定力がないとか…。まさにそういう状況ではあるんだけど、去年だって主力はそれほど変化がない*1のに最低限の結果は残していた。なのに、今年はどうにも流れがよくないのである。

チームの顔ともいえるボーネンは、ちょっとここまでの空気っぷりを考えると本番でも期待は難しいだろう。それは本人もチームも認めているのか、だからこそ最後のスプリント要因としてトレンティンやガヴィリアをゴールまで連れて行こうとしているチーム戦術が垣間見える。

去年、一昨年と結果を出してきたテルプストラも調子はとても良さそうにみえる。この3連戦とも、最終盤で追走のための鬼牽きをみせている。特にドワーズ・ドアでは、逃げるヴァンアーベルマートを捕まえられたのはテルプストラのおかげだった。ただ、ボーネンがいなかった去年はチームリーダー、一昨年までは終盤のチームの切り札的存在だったのが、今年は完全にアシスト役に徹しざるをえない状況になっている。本当は、このチームにシャヴァネルがいたときのような役回りを期待したいのだけど、肝心なところでチームが後手を踏んでしまってはそれができていない。

チーム期待の新戦力ガヴィリアは、ドワーズ・ドア、ヘント~ウェヴェルヘムでスプリント勝負まで残れているので、クラシック適性があることは間違いないのだけど、いかんせんまだ経験不足だったり体力不足だったりで、最後のスプリント時に脚を残せていない。もうちょっと経験を踏めば、デゲンコルプみたいな選手になれそうだなぁとは思うのだけど、今年のフランドルやルーベに参加したとしても、まだ表彰台に登るのは難しいだろう。

そして。個人的に現在のチーム構成では最大のキーマンだと思っているのはスティバルなのだが…。どうもこのところ本調子ではないようにみえるんだよね。ストラーデ・ビアンケで2着、ティレノ~アドリアティコでも途中までリーダージャージを身にまとっていたくらいなので、今シーズンに入ってからの調子は間違いなく良かったはずだ。だけど、ティレノの最終ステージだった個人TTでタイムを落としたころから、どうにも本調子じゃないような…。ヘント~ウェヴェルヘムで勝負を決めたのは、サガンのアタックにカンチェラーラとファンマルケがすぐさまチェックして、さらにスティバル、ヴァンアーベルマートとスカイの選手がブリッジしようとして、この3人が前に追いつけなかったことにある。この時、去年までの好調時のスティバルだったら絶対に前に追いついていたと思うんだよなぁ…俺。

もしもあそこでスティバルが追いついていれば、あの強力メンツでの逃げは協調体制を築けなかったと思うし、それでも強引に逃げ続けたとしても、追走で他のクイックステップ勢は力を使わずに済んでいた。そうなっていれば、チームとしてとれる作戦に選択肢が生まれていたはずなんだけどな。まぁ、レース後にたらればを言ってても建設的ではないと思うのだけどさ。でも、ここ数戦の不甲斐なさを見続けていると何か言わずにはいられなくなるわけですよ!

目下サガンカンチェラーラが絶好調で、毎年優勝候補に数えられるヴァンマルケも結果を出した。他にもスカイやBMCも強敵だ。だけど、そろそろクイックステップ勢にもね、結果を出して欲しいわけですよ、ファンとしては。とは言え、往年のボーネンのような決定力のある選手がいなければ、どうやったら本番で勝てるのか、いまいち想像ができないってのがちょっとした絶望ではあるんだけども。せめて後手を踏んだあげく勝負に絡めないっていう悲しいリザルトで終わるのは勘弁してほしい次第。

そうそう、ひょっとしたらマルティンがルーベにでるかも?という話なので、もし実現したら楽しみが一つ増えそうだ。これまでまったく石畳レースに縁がなかったマルティンだけど、去年のツールの石畳ステージで結果を残せたのが自信になったのだろうか。E3では途中でDNFだったけど、ルーベに出るようだとどうなるかなぁ。

*1:去年はボーネンが離脱していたとか、今年は新鮮力としてのガヴィリアが参戦してたりとか、違いも多いけど