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自分の趣味について書き散らかす雑記ブログ。

どんでん返し系の作品を紹介するという行為

はてブをチェックしてると、定期的に「どんでん返し系の名作10選」みたいな記事を見かけることがある。例えば対象が映画の場合だと、ケヴィン・スペイシーが出演してるあの映画*1ハーレイ・ジョエル・オスメントが一躍有名になったあの映画*2エドワード・ノートンが怪演したあの映画*3クリストファー・ノーラン監督の出世作*4などなど、定番どころの紹介+知られざる名作がセットになっていることが多い。

こういうネタを読んで、以前はロバート・レッドフォードが主演している某詐欺師の映画*5が挙がっていなければ、条件反射のようにはてブにコメントを残すようなことをしていたのだけども、いつしかこれがとても愚かな行為だと気づいてからはスルーするようになった。

どんでん返し系の作品で面白い作品に出会うと強烈なカタルシスが残るので、他の人にもおすすめしたくなる気持ちはよく分かる。自分も以前はそうだったし。特に、それほど映画鑑賞をしてなかった頃に強烈などんでん返しに出会うと、その映画体験は一生ものになったりする。自分にとって、前述の某詐欺師映画がまさにそんな作品だ。

でもね、どんでん返し作品って、どんでん返しがあることを知っている事自体、ネタバレとまでは言わなくても、その作品と向き合うときにどこかにどんでん返しの伏線があるはずだと心構えてしまうので、結果として途中で結末が読めてしまうことが増えてしまうのですね。それなりにそういう作品に触れると、演出上の怪しい箇所ってのに気付きやすくなっていく。そうすると、最大の山場で騙されることでカタルシスを得るというよりは、オチは読めたぜ、へへん!という違う楽しみ方になってしまう。それが悪いことだとは思わないし、作品にそういうオチ探しの面白さを求める人もいるだろう。だけど自分は、どうせならどんでん返し系の作品は素直に騙されて、騙されたことに感動を得たいよ派だったりする。

なので、人にどんでん返し系の作品を紹介するときは細心の注意を払うように心がけている。某詐欺師の映画の場合だと、「相棒をギャングのボスに殺された詐欺師の主人公が、詐欺で復讐を果たそうとする話」とかね。脚本が練りに練られたどんでん返し作品は、ネタバレがあっても面白かったりするけど、予備知識ゼロで素直に騙される経験を経るのと経ないのとでは、やっぱり最初の感動がぜんぜん違うと思うのですよ。

とは言え…作品によってはどんでん返しがあるからこそ面白いというのを、そこを抜きにしてその作品の良さを説明するのが難しいケースもあるのがもどかしいところ。一見地味な話とかだと、タイトルだけ挙げて面白いから観てみてよ!といったところで簡単には興味をもってもらえないし、だからといってどんでん返しがすごいから、なんて説明してしまおうものなら自分と同じ感動を共感してもらえなかったりするし…。肝心なことには触れずに面白さを抽出して、興味をひくように伝えられればいいのだけど、そんなスキルは持ち合わせてないしなぁ…。この葛藤、自分にはいかんともしがたい問題だ。

今もこの文章を書きながら、ポーカーを使ったちょっと古いどんでん返し映画やビリー・ワイルダーの傑作映画のことを頭に思い浮かべているのだけど、作品名を挙げてしまうとどんでん返しがあることがわかっちゃうし、作品名を挙げないとそもそもどの作品か伝えられないしで、ぐあぁぁとなっている。別の機会に、どんでん返し映画とは触れずにさらっと紹介できればいいのだけど、それがどんな機会なのかちょっと想像できないしなー。む、難しい…。

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