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「すれ違いのダイアリーズ」鑑賞

とても良かった。一言、「とても素敵な映画」。
eiga.com

あらすじはこんな感じ。

湖にうかぶ水上学校に赴任した、教師になりたてのソーン。数人しかいない生徒たちとうまく関係を築けず悩み始めた時にみつけた、教室に残されていた1冊のノート。それは、前任者エーンによる1年間の生活が綴られていた日記だった。なれない僻地での生活、子どもたちとのコミュニケーション、そして孤独。日記で知ったエーンに思いを馳せながら、ソーンは次第に教師としての生活にも慣れていく…。

この作品の最大の魅力は、タイトルまんまの「すれ違い」。1冊の日記をめぐって、最初はソーンからエーンに、途中からはエーンからソーンに伝わるメッセージ。お互いのことを直接しらないまま、それでも日記や子どもたちなどを間接的にはさんで、幾度となくつづくすれ違いにヤキモキしながら物語は進んでいく。この脚本のさじ加減が抜群に巧い。監督のインタビュー記事によると、この脚本のアイデアは実際にあった2つの話にヒントを得たらしい。

news.mynavi.jp

映画は、二つの実話から着想を得ている。一つは、今もタイにある水上学校で教師を続ける男性、“サーマート先生”の体験談。もう一つは、新しい職場で、前任者が忘れていった日記を読み、その女性に恋をした今作のプロデューサーの友人の体験談だ。

その他、主演二人や子どもたちの魅力、ロケーションの美しさなどなど、見どころの多い映画だと思う。個人的には、この場面写真のエピソードがお気に入り。

とても良作だと思うので、ちょっとでも面白そうだなと思った人はぜひ映画館まで足をのばしてほしいなー。

ちなみに、どんな映画なのか知るには、予告編を観るのが一番手っ取り早いと思うけど、ちょいといい場面を観せすぎているきらいがあるので、あまりオススメはしない。

『すれ違いのダイアリーズ』予告編

あと、素朴な疑問なのだが…。タイトルの「ダイアリーズ」、なぜ複数形なのだろうか。映画で登場する日記は1冊なので単数形でも構わない気がするんだけど。1冊の日記でも著者が複数になると複数形で表現するものなのかな?それとも別の意図があったんだろうか。

ついでに。「すれ違い」をテーマにした映画だと、個人的に「ワンダーランド駅で」という作品がお気に入り。こちらは今作の日記のような、すれ違いを演出するキーアイテムがあるわけではなく、同じロケーションで二人の男女がニアミスを繰り返すという話なので、作品としての趣旨は違うんだけど、これはこれでたいそう魅力的な作品だと思うので合わせてオススメしたい。

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