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「図書館の魔女」読了

先週末、ようやく図書館の魔女3巻と4巻のKindle版が発売されたので早速読んだ。

図書館の魔女 第三巻 (講談社文庫)

図書館の魔女 第三巻 (講談社文庫)

図書館の魔女 第四巻 (講談社文庫)

図書館の魔女 第四巻 (講談社文庫)

いやー…、最後まで最上級の面白さでした。こういう本に出会えると、ほんと幸せな気持ちになれますね!

作品全体を通して、2巻ラストのマツリカとキリヒトのやり取りが一番ドキドキしたポイントだったけれど、もちろん3巻以降も見どころは満載。敵対国ニザマとの外交上のやり取り、マツリカを狙う刺客との戦いといった緊張感が張り詰めたシーンもあれば、仲間たちとの楽しげなやり取りにニヤニヤしたり、本編が一段落したあとの別れに感傷的になったり…。

個人的には、刺客にまつわる伏線の回収の鮮やかさがお見事でした。船で移動中のキリヒトの懸念から、あのキャラにはなにかあるんだろうなぁ…とはずっと気になっていたんだけど、そうつながるのか!という驚きがね。このお話、色んな所に伏線が盛り込まれているんだけど、ミスリードを誘うようないやらしい伏線ではなくて、巧みに散りばめられた何気ない描写が後になって繋がるような伏線が多いので、再読も楽しめそうだなぁと思ってる。しばらく間を置いたらまたじっくり読みたい。

あとは、全編を通して触れられる、「言葉」とはいったいなんなのか?というテーマ。しゃべることが出来ないマツリカが「言葉はたんなる意思伝達の道具なんかじゃないよ」的なことを表明するのは、普段言葉の力を意識することのない自分にはなかなか実感のわかない話ではあったけれど、それでも深く考えさせられるテーマだった。言語や詩韻、文字、書籍、そして図書館の意味など、言葉にまつわるいろいろな考察。あとで著者が文学や言語学の専門家と知って、なるほどなぁと思いました。

これだけ楽しめたので、当然続編(番外編?)である「烏の伝言」にも手を出したいところなのだけど…。残念ながらまだKindle化はされていない。今作がKindle化されたのが文庫版にともなってのことだったので、「烏の伝言」のKindle化も当面なさそうかなぁ、やっぱり。ただ、もう物理的に分厚い本を読むなんてことはしたくないので、単行本の値段そのままで構わないのでさっさと電子書籍にしてほしい。講談社のWEBサイトを確認してみるとお問い合わせフォームが用意されていたので、ダメ元でお願いしてみようかしらん。

図書館の魔女 烏の伝言

図書館の魔女 烏の伝言

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