つい先日、今年もツールがはじまったなぁ…なんて思っていたはずなのに、気がつけばあっという間の3週間。フルーム擁するスカイが中盤から終盤にかけてまったく隙のないレース運びで*1、ツール連覇となりました。ツールの連覇は2009年~10年のコンタドール以来だけど、2010年の優勝は取り消しになったのと、ランスの7連覇も取り消しとなったことを考えると、ツールの連覇って公式記録ではインドゥラン以来20年ぶりということになるのか。まぁ、今のフルームの強さとスカイのチーム力を考えると、妥当すぎる結果ではあるんだけど。
で、今年のツールも見どころは満載だったはずなのだけど…フラムルージュ崩落事件とフルームランニング事件のインパクトが強すぎて、後年になって今年のツールを思い出すと、この2つしか思い浮かばなさそうな気がしなくもないなぁ。なんてことを思っていたら、ツール・ド・フランスのオフィシャルがこんな動画を公開してくれました。たった8分弱という尺に、今大会の見どころをみごとに詰め込んでくれていて、後で今年のツールを振り返りたくなった時は、とりあえずこの動画を観ておけばOK!ってくらい完成度が高い。
中でも個人的に印象に残ったシーンはこのあたりかな?
- コンタドール落車とリタイア
- カヴェンディッシュ完全復活
- サガン大活躍
- フラムルージュ崩落に巻き込まれたアダム・イェーツの躍進
- フルームのスーパーダウンヒル
- 雹が降り注ぐ山岳ステージ
- サガンの横風アタックとフルームの共闘
- モンヴァントゥの大混乱とフルームランニング事件
- 3週目に入っても鉄壁すぎるスカイトレイン
モビスター勢、アスタナ勢が3週目に入ってからどう巻き返しをはかるかに注目していたけれど、フルーム個人にもスカイのチーム力にもつけ入る隙はまったくなく。スカイはアシスト勢もエースとして活躍出来そうな選手ばかりなので、来年もチームが調整に失敗しないかぎりこの傾向は変わらなそうな…。
贔屓チームのエティックス・クイックステップ勢は、キッテルのステージ1勝と、ダニエル・マーティンの個人総合9位がリザルトして残った。キッテルは、ジロの時のような強さを最後まで発揮できずもどかしかった。それは本人の調子によるものなのか、チームのトレインがいまいち機能できてなかったのか。はたまた周りが強かったのか。いずれもその要因だったんだろうけど、やっぱり最後まで消化不良は残ってしまったかなぁ…。
対して、ダニエル・マーティンの個人総合9位は予想を遥かに上回る好成績だったと思う。マーティンはワンデーレースで良績は残せども、今までグランツールでは結果を残せていなかったことを考えると、今年の躍進は素晴らしいですね。チームを変えたのが良かったのか、調整がうまくいったのか。少なくとも今回の結果で、グランツール向きの選手ではないかも?という見方は払拭できた。とはいえ、チームの山岳アシスト事情を考えると、他のグランツールで表彰台に登るのも大変そうではあるけど…、これからも応援してきたい選手の一人には違いない。
他では、アラフィリップが経験不足や不運のメカトラでステージ勝利を逃したのがもったいなかったこと、今年もマルティンの大逃げが観られて嬉しかったこと*2が、個人的なハイライトだろうか。
あとはそうだなぁ…。どうも、3週間にわたって繰り広げられるグランツールに対する興味が減りつつあるのかもなぁ、なんてこともちょっと感じている。春先のワンデーレースは依然として面白いのだけど、グランツールはマンネリ化を感じているというか、途中でちょっとだれる。レースに魅力を感じなくなってきているのだろうか。自分でもよくわからないのだけど、残り10キロあたりの重要局面で寝落ちしちゃったりと、レース観戦に緊張感を維持できない日が多かったのがなぁ。むーん。