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自分の趣味について書き散らかす雑記ブログ。

2016年 BEST MOVIE!!

いやー、今年は近年まれに見る大豊作!鑑賞本数はたぶん36本(うち、劇場鑑賞が33本)。これは昨年とほぼ同じなんだけど、質は去年を上回っているのではないだろうか?例年10作品に絞り込むのにそこまで苦労しない*1んだけど、今年は別。今もかなり迷いながらこの文章を書いている。たぶん、その日の気分で、ベスト10作品が入れ替わりそうな…。

というわけで、暫定リスト感があるのだけど、現時点で今年のベスト10を選ぶとこんな感じになりました。どどーん。

  1. オデッセイ
  2. 湯を沸かすほどの熱い愛
  3. シン・ゴジラ
  4. スポットライト 世紀のスクープ
  5. ブルックリン
  6. マネー・ショート
  7. 奇跡の教室 受け継ぐものたちへ
  8. 君の名は。
  9. この世界の片隅に
  10. すれ違いのダイアリーズ

夏休み前くらいまでは、ハリウッド作品に偏った鑑賞傾向だったのが、シン・ゴジラを皮切りに邦画の傑作が目白押しに。シン・ゴジラ君の名は。聲の形→湯を沸かすほどの熱い愛→この世界の片隅にまで、おいおい、今年の邦画はいったいどうなってるんだよ…?と思わず唸るような、怒涛のラインナップ攻勢にこちらも轟沈。ただ、前半に観たアカデミー賞関連作も見事なまでにハイレベルだったんだよね。正直、ボーダーラインやズートピアを見た直後、これらの作品がベスト10に入らない事態になるとは思わなんだ。

ここからは、各作品についてもう少し掘り下げてみよう。

オデッセイ

傑作ハードSF「火星の人」を、NASA全面協力のもとハリウッドが全力で実写化。これがもう、考えられる限り最高の実写化では?と思うくらいの完成度の高さ。感想はこちらで書いている。

shaw.hatenablog.com

原作小説を先に読んでから、その実写映画を観た場合、どうしても消化不良感がつきまとうのだけど、今作ではそれがほぼなかったというだけで、これはもう偉業だと思うんだよね。

湯を沸かすほどの熱い愛

完全のノーマークで、知人が絶賛してなければたぶん観てなかった。で、映画館で鑑賞して号泣。だってさ、母親と娘の二人で慎ましく生活してたのに、その母親に癌が宣告されて余命いくばくとか、この先娘はどうなっちゃうんだよ…と心配になるじゃないですか。たしかにその設定はあざといくらいだ。宮沢りえにあの役を演じさせるのもずるいっちゃぁずるい。だけどその先のドラマでは、人間としての成長物語を真摯に描いていてあざとさの欠片はどこにもない*2。その真摯さに心が打たれ、いつしか動揺すらしちゃうという。

ほんとに良い映画だと思うのだけど、公開時期が悪かったのかいまいち話題になっていなかった気がしていて残念なのである。

シン・ゴジラ

久々に映画館で2回鑑賞した。2回目は、一度立川の爆音上映を味わってみたいという願望もあってのことだけど、それでも短期間にもう一度観たいと思わせる、映画が発する熱量は凄まじかった。細かい感想はこちらで。

shaw.hatenablog.com

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スポットライト 世紀のスクープ

第88回アカデミー賞の作品賞受賞作。ばりばりに硬派な社会派ドラマ。完璧すぎてけなす点が見つからない作品だった。最近こういう社会派ドラマをみることが少なくなっていたからか、作品自体はけっこう地味だったにもかかわらず、鑑賞後の高揚感がとても心地よかった。それは、信念を持った正義感というのが失われつつあるからこそなのかもしれない。

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ブルックリン

ニック・ホーンビィの邦訳小説が大好きだった延長線で、この作品の上映を楽しみにしてたわけですよ。で、いざ鑑賞してみるとさ、え?これがあのホーンビィ脚本なの?と思ってしまうくらい、コメディ要素なしのヒューマンドラマに仕上がっていた*3。田舎から都会に出て自分の居場所を作り、けれど本意でない理由でまた田舎に戻り、そこで味わうことになる感情。自分なんかは逆に、都会に出てからはいつかは田舎に戻りたいと思いながら生きてきたはずで、主人公とは異なる考え方・志向性を持っているはずなのにもかかわらず、それでも終盤の主人公には感情移入をしてしまった。田舎のもつ閉鎖性はなぁ…。

マネー・ショート

本来とても難しい話なんだけど、それをエンタメとして成立させてしまった、恐るべき作品。感想はこちらで書いている。

shaw.hatenablog.com

誰が観ても面白いと思える作品ではないのは重々承知だが、それでも一見の価値ありだと思いますよ。

奇跡の教室 受け継ぐものたちへ

問題児の集まるクラスの担任を受け持つことになったベテラン教師。彼女は、生徒たちにアウシュビッツをテーマにした歴史コンクールに参加を促す…という実話。教師と生徒の間で絆ができていく過程だったり、生徒同士が反目しつつも団結していく過程とか、それだけだとよくある学園ドラマなのかもしれない。けれどね、それでも心を打つ何かがこの作品にはあるんですね。やっぱり歴史の重みってのは一味違う。

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君の名は。

もう今さら語ることはないですね。今年の大ヒットアニメ。新海誠作品を映画館で観るのは初めてだったので、その背景美術に感動したのはもちろんのこと、SFとしての仕掛けは全然予想してなかったので、中盤で物語が動き始めてからばぐいぐい引き込まれたよ。欠点もあるけれど、それでも面白い映画だったことには違いない。

小説 君の名は。 (角川文庫)

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この世界の片隅に

こちらも今更語ることはないですね。まぁ、この作品の場合、公開前から自分のTwitterのタイムラインでは絶賛で溢れかえっていたせいで、敷居が高くなりすぎていたってのはあるんだけども。なんかこうモヤモヤするものが残るというか、乗り切れなかったというか…。後日、もう一度頭を真っ白にして鑑賞し直したいなぁとは思っている。

この世界の片隅に : 上 (アクションコミックス)

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すれ違いのダイアリーズ

これまで上げてきた作品と比較すると小粒感は否めない。けれど、とっても素敵な映画だったんですよ。感想はこちらで書いている。

shaw.hatenablog.com

大作や話題作ばかり観ているとさ、こういう小粒ではあるけれどキラリと光るものがある作品もしっかり鑑賞して、自分の中でのバランスをとらねば…という気持ちになるんだよな。できることなら、こういう作品をもっと押さえておきたいんだけど、これがなかなか難しいのよね。

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以下、悩んだあげくベスト10選外になってしまった作品たち。選外とはいうものの、面白さでは引けを取らない作品ばかりだと思う。中でも「ぼくとアールと彼女のさよなら」は劇場未公開だったのがもったいないくらいの良作。未鑑賞であればぜひ。

shaw.hatenablog.com
shaw.hatenablog.com

過去の年間BEST10記事はこちらから。

*1:去年はそれなりに悩んでいた気配はあるけど。

*2:まぁ、人によって感じ方は違うかもしれんけど…

*3:同じくホーンビィ脚本の「17歳の肖像」も硬い作品だったんだけどね