映像研には手を出すな!
Twitterで少し評判になっているのを目にして、面白そうだったので読んでみた。
- 作者: 大童澄瞳
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2017/01/27
- メディア: Kindle版
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ちょっと癖の強いJK3人組がアニメを作るために奮闘するお話。設定だけみるとハックス!を連想する人もいるかもしれないけど、作風も内容も全然違う。ハックス!はゴール目指して勢いで邁進するようなところのある話だけど、映像研には手を出すな!はちょっとゆるい。いや、一コマ一コマに込められている熱量や密度は相当に濃いので、けっしてゆるい漫画ではないのだけど、漫画としての熱量=ストーリーの熱さではない、というかなんというか。
徹夜してアニメを作る場面はあってもそこに悲壮感はないし、主人公たちのやっていることはすごいのに、それを日常寄りにみせることで、演出としてあえてゆるさを意識しているというか…。それが悪いことじゃ全然なくて、だからこそ味のある漫画になっていると思っている。そして、漫画好きだけじゃなくて、アニメ好きにも共感を呼びそうな内容にもなっている。次巻次第では、来年の漫画大賞系で名前が挙がりそうなパワーを持っている気がする。
そのへんは、興味があったら直接読んでみて感じてもらうとして、もう一つこの漫画でとても印象に残ったことがある。それは吹き出しの演出。ところどころ、コマのパースに合わせて、吹き出しとセリフも斜めを向いているんだよね。小細工といえば小細工なんだけど、それが個人的に妙に臨場感を生んでいるように思えて。例えばこのコマ。
路地を歩いているのは絵だけでも伝わるんだけど、この吹き出し演出がさらに相乗効果を生んでいる。気がする。この発想はなかった…と思えるくらい、自分には斬新な演出方法だった。今までそれなりに漫画は読んできたけれど、こういう見せ方ははじめて目の当たりにしたような。いや、世の中にはそれはもうたくさん漫画があるので、他の漫画でとっくに同じような演出を使っているのかもしれないけど、もしそうだとしたら起源はどこにあるんだろうなぁ…?なんてことが気になったのでした。
あとはあれだなー、見開きのコマがちょっと多めなので、Kindle端末で読む場合はpaperwhiteよりもFireないしKindle for PC、電子書籍よりも紙のコミックスで読んだほうが読書体験としてはストレスが少ないかもね。ということを、paperwhiteで読みながら思ったとさ。