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キングダムを一気読みした

この数日間で、漫画「キングダム」を一気に読んだ。とうとう最新刊に追いついてしまった。

知人と漫画の話をすると、けっこう高い確率で「キングダムがめちゃくちゃおもしろい」という話題になる。周囲の漫画好きにたまたまキングダムファンが多いだけかもしれないけど。

自分も過去に、キングダムが話題になり始めた頃に一度読み始めたことがあって、でも当時それほど面白いとも思わなかったので、けっこうすぐに見切ってしまった。まだKindleが日本に上陸する前だったので、コミックスを購入して読んだのだけど、見切った時点でとっとと手放してしまった。

で、つい先日、酒を飲みながらまたもやキングダムの熱いトークがはじまった場に居合わせた。普段漫画をあまり読まなそうな人もキングダム話で盛り上がっていたのを見て、いよいよ再挑戦してみるか…という気になった。いや、今までも何度も何度ももう一度読んでみようと思ったはずなんだけど、なかなか重たい腰が上がらなかったのよね。一度関心を失ったものに、もう一度興味を持つのってなかなかむずかしいじゃないですか。

たぶん、その気になったら手を出してみよう、なんて心構えだといつになっても手を出さないので、その場でとりあえずKindle版の1巻を購入した。手元で読める状態になってさえいれば、Kindle端末を開いたときに未読の漫画があれば、そのうち絶対に読み始めるだろう、という計算である。

さて、先週の土曜日。ぼちぼち寝るかーと思いながら、ベッドで寝転がりながらKindle端末で漫画を読み始める。おっとそうだった、キングダムの1巻をダウンロードしてあったんだった…と思い出し、読んでみることにする。出だしは過去に一度読んでいるし、導入がどんな話だったかもけっこう覚えてる。そうそう、こいつはすぐに物語から退場しちゃうんだっけな。あー、こんなちんちくりんキャラいたよ。山岳地帯の戦士たちの力を借りに行くんだっけな。歴史ものとしてあまりにも創作だらけで、このまま読み進めても得るものなさそうだなー…なんて思って、続きを読むのをやめたんだったなぁ、なんてことを思い出す。

今回は、この先絶対に盛り上がるから!という証言を何人もの人からもらっていたので、とりあえず10巻くらいまでは読んでみよう、という目標は立てていた。なので、1巻を読み終わったあと、まずは5巻までまとめて購入した。4巻までは話の内容を覚えていたのだけど、5巻からは記憶にない。なんとなく5~6巻くらいまでは読んでいたつもりでいたけれど、もっと前の段階で読むのをやめていたらしい。当時、他にキングダムファンが身近にいれば、もう少し先まで読んでいたかもしれないけれど、こればかりは仕方がない気もする。

物語が進むに連れ、個人対個人という戦いだけでなく、集団対集団、つまり合戦の描写が増えてくる。自分には馴染みのない将軍たちが戦陣を組み、軍を動かし、戦局を動かしていく。立場が下っ端の主人公ができることはもちろん少ない。指揮をとる立場ではなく、歩兵として死なないように立ち回るので精一杯だ。そんな中、自分だけでなく、周りの歩兵たちも一緒に生き残るために立ち回りはじめるうちに、乱戦の中で隊長級の首をとるチャンスが訪れる。それどころか、戦況を動かすようなターニングポイントで目覚ましい活躍をしたりする。もちろん簡単に手柄を立てられるわけではなく、自分や仲間たちに窮地も訪れる。そしてそれをひっくり返す熱い展開とカタルシス!やべー、これすごく面白いじゃないの!気がつけば読むのを止めるタイミングを失っている。そのまま夜更かしコースへまっしぐら。

結局翌日曜日は、Kindleで5巻分まとめて買う→5巻読む→続きの5巻を買う→読む→買う→読む…というローテーションを止めることができず、当初の予定をすべてキャンセルして、ずっとキングダムを読みふけっていたとさw

この漫画の面白さについてはいろんなところで語り尽くされている気もするけど、自分のお気に入りのポイントはざっとこんなところだろうか。

  • 一応史実を元にした漫画ではあるんだけど、主人公の成長物語とか主人公の脇を固める仲間たちとかの、漫画としての創作部分の盛り方加減が絶妙だと思う。主人公である信が、いろんな局面で死にそうになりながらも目の前の壁を乗り越えていく過程がいちいち熱い。
  • 敵味方問わず、将軍たちの圧倒的存在感がすごい。んな、ばかな…という演出の盛り方も、一見過剰演出ではあるんだけど、それが主人公と実力者の立ち位置の違い、その距離感の大きさがぱっとわかるようになっている。それが、物語が進んで信が力をつけていくにつれ、あれだけ大きかった距離が、少しずつ近くなっていく過程をじっくり堪能できてしまうのがすごい。
  • 合戦描写がとにかくすごい。単なる力と力のぶつかり合いだけで終始するわけでなく、なぜその戦いが起こったのか、どういう経過でその戦いが進んでいったのか、その中で大将同士のぶつかり合いだったり、信と相手武将達との戦いであったり、戦いを有利にすすめるための策略だったり、政治上発生する足の引っ張り合いだったり…いろんな要素がてんこ盛り。だけど、それが物語としてコントロール不能になることなく、終着点に向かって巧みに描かれていくのが素晴らしい。物語上で描かれる合戦は実際にあったものがモチーフになっているようで、その結末も歴史に沿っているんだけど、そこに至る過程を漫画としてここまで面白さに昇華できてしまうものなのか…と唸ることしきり。
  • その中で描かれる歴史上の出来事や人物描写がいちいち面白い。気がつけば登場キャラにどっぷり感情移入してたりする。王騎なんかは、初登場時は何を考えているかよくわからん不安定なキャラだったのに、まさかあそこまでの大物だとは思ってなかったし、最期がかっこよすぎてびびりますよ…。
  • 羌瘣かわいいよ羌瘣。正直、はじめて22巻の表紙を目にした時は、もう読むのをやめようかな…と思いました。
  • 時間経過によって登場キャラたちがそれっぽく歳を重ねていくのもみていて楽しい。
  • 秦が中国を統一する物語ということはわかっているので、函谷関の戦いのような圧倒的不利な状況でもどうにかひっくり返しちゃうんだよな、と思っていても、それでもドキドキハラハラしちゃうのはどうしたものか。

などなど、本当に魅力的な要素だらけなのである。いやー、読んだ人がこの漫画について熱く語りたくなる気持ち、やっと俺も分かち合えた気がするよ!

そして、この先物語がどう転がっていくのか気になったあまり、wikipediaでこの時代の出来事をざっくり読み漁ってしまったのはここだけの話だ。なので、誰がどのタイミングでいなくなってしまうのかはそれなりに知ってしまったし、これから起こるだろう大きな出来事なんかも要点は抑えてしまったw でも、それでこの先の楽しみが減ってしまったどころか、あの合戦とかあの出来事とかをどう漫画で料理するのか、むしろ楽しみが増してしまったくらいだ。

個人的には、史実でいつ死ぬかよくわからないあの人とか、この先どういう扱いになるのか心配でたまらなかったりするわけだが…。そういうのをひっくるめてこの先も読み続けていきたい所存。完結まであと10年くらいかかりそうな気もするけどな!