発売日に購入してから地道に遊び続けていたゼノブレイド2、昨日やっとエンディングをみた。135時間くらい*1。100時間以上も遊んでいて途中で飽きずにクリアできたのは、とにかくバトルが面白かったから。不満点も多いこのゲームをラストまで楽しめたのは、ひとえにバトルの面白さのおかげだと思う。
さて、このゲームの感想については、激しく頷くことしきりな文章がすでにはてブでも話題になっていて、それを読んでもらったほうがいろいろ参考になると思うんだけど…、自分も文章として残しておきたい。以下、ネタバレあり。
- 出版社/メーカー: 任天堂
- 発売日: 2017/12/01
- メディア: Video Game
- この商品を含むブログ (6件) を見る
良かった点
- クロスやゼルダBotWのように初めての場所を探索するのが楽しい、というよりは、遠方にみえるオブジェクト(街とか雲海とか世界樹とか…)が綺麗に折り重なって、フィールドに重厚感が生み出されているのを眺めるのが楽しいというか。
- 終盤で、巨大ロボとアルスが対峙するシーンの後、背景でそれらがぐりぐり動くのを横目にマップを移動するあたりとか、一見の価値があると思う。
- 物語につながりは無いとは言え、思っていた以上に前作の作風を引き継いでいたのが良かった。マップの雰囲気だったり、バトルの基本ルールだったり、終盤になってからのSF展開だったり。
- 最初に触れたとおり、とにかくバトルが面白い。バトルシステムがかなり複雑で、チュートリアルも不足しているので、慣れるまではちょっとしんどかったけど…、中盤以降、コンボの仕組みが一通り理解できてからはとにかく楽しかった。パーティー構成が噛み合っていないと雑魚戦でもバトルが長引いたりしがちなのはネックではあるけど、上手くはまった時はボス戦でもさくっと倒せたりして、その時の爽快感が病みつきになる。
- そのバトルの面白さや魅力については、以下のサイトでじっくり解説されている。つきつめれば、いかにブレイドコンボを決めて敵に属性玉をつけていくか、というところに落ち着いていく気はするし、それをソリティアゲーと表現している人もいて、なるほどと思わないでもないけど、それでも癖になる楽しさがあるんだよね。ちなみに、一度もフルバースト攻撃というのを見ることなくエンディングを迎えてしまった。
www.famitsu.com
gamelifehack.hatenablog.com
- メインクエストは、要所要所で少年漫画のような熱い展開が待っていて、ついついグッときちゃったりするんだけど、エンディングを観たあとで全体を俯瞰して振り返ってみると、はて、そんなに優れたシナリオだったろうか…?と思わないでもない。主人公がぶれないので一本筋が通っているとは思うんだけど、敵対する人たちの考えや行動がごにょごにょ…。
- メインクエストよりも、沢山用意されているサブクエストのほうが魅力的だった気もする…のは、クロスと同様かもなぁ。サブクエストを通して今作の世界観が少しずつ補足されていくことで、自分の好奇心が満たされていくのが楽しいのかも。
- キャラ同士の掛け合いが楽しいのも良い。ときどき空回りしちゃうけどな。バトル中、みんなが一斉にしゃべってるのがうるさいってのは多少なりともあるんだけど、戦闘終了時のコントみたいなやり取りが楽しめると、あぁ俺はゼノブレイドを遊んでいるんだなって思う。
- 主要キャラは、これだけみんなキャラが立っていて、感情移入しやすそうなエピソードも多いので、いつもならキャラのどれかにお気に入りができるんだけど、今作ではそれがなかった。癖が強すぎたんだろうか。それでも強いてお気に入りを挙げるならニアかな?特に、ブレイドバージョン。対して、ヒロインであるホムラとヒカリは、どっちもちょっと狙いがあざとすぎてなぁ…。
- バトルは、ヒーラーにニア固定、DPSにレックスorジーク、タンクにトラorメレフ*3。2択の場合は、気分次第で使うキャラを入れ替える感じで遊んでいた。自分で操作するのはDPSかヒーラーが多かったけど、トラがハナJDを使えるようになってからはトラもちょくちょく使ってた。トラをDPS兼サブタンクにしてニアとメレフでパーティー組むと、レベル差がないかぎりまず全滅しない*4。
- 終盤、できればニアをブレイドとしてもっと使いたかったのだが、そうするとレックスにヒーラーをさせる必要が出てきて、ホムラorヒカリの力を出しきれなくなるのと、そもそもブレイドのニアってブレイク攻撃を持っていないから、ドライバーのニアとビャッコのコンビほど使い勝手が良くないのよね…。
- レアブレイドについては良し悪しあって、どちらかというと悪い点が目立ってしまったので後述することにする。
- 音楽も前作のテイストを引き継いでいて、世界観にマッチしていたと思うけど、個人的には前作やクロスほど魅力的には思わなかった。繰り返し聴いても飽きてこないところから、サウンドスタッフは間違いなく良い仕事をしているとは思うんだけど、自分の好みの曲があまりなかったというか。たぶん今回はサントラが発売されても手を出さないと思う。
悪かった点
- 以下のブログが、このゲームの欠点を全て代弁してくれている。
- マップ関連のUIは、一度アップデートが行われて多少ましになったけれど、それでも酷い。左スティック押し込みでマップ表示状態が4段階でトグルになるけど、そのうち2つは完全にいらない。まぁ、人によっては使うのかもしれないけど、せめてコンフィグ機能で表示段階の設定ができるようにしてほしかった。
- 結局マップ表示は、ファストトラベル時に表示される別機能を多用することになるんだけど、こっちは拡大表示できない*5から、これはこれでいらいらする。2つあるマップ表示機能を統一して、拡大縮小がそれなりに融通きくマップ機能があれば良かったんだけど…。
- とにかくチュートリアルが不親切すぎる。とくにバトル関連はかなり複雑に作り込まれているのに、それをさっと確認するすべがないのは致命的だと思う。各地に散らばっている情報屋からTipsを購入して集めるという仕組み自体はかまわないんだけど、入手したTipsはメニューの何処かに集約してくれないと不便だと思うんだが…。
- 十字ボタンを操作マニュアルに割り当てる発想が斜め上すぎてビビる。しかもそのマニュアルがチュートリアルとして機能しているわけでもないし…。
- スパイク攻撃がとにかく酷い。あれ、チュートリアルで説明あったっけ?そして、避ける手段ってアシストコアだけなんだろうか。敵がスパイク攻撃を使っていることがわかっても、タンクの防御アクション以外避ける方法なくね?オートアタックを止めるためには敵から距離を取れってことなんだろうか。でも、仲間にはそんな指示だせないよね。その辺りの仕様がわからないから、結局主力ブレイドにはスパイク無効を常につける羽目に。
- 料理の材料とか、クエストで必要になる材料アイテムとか、どこで入手できるかさっぱりわからないから攻略wikiを頼らざるを得なくなる仕様もどうにかしてほしいが、これはシリーズ通しての仕様だし、諦めるしかないんだろうか。さらに、今作はコレペディアというコレクション要素がなくなったので、材料アイテムがほとんど空気なのもいただけない。
- 材料アイテムだけでなく、アシストコアやアクセサリーも種類が多すぎる。ほとんど使わなかったし、いざ装備を変更しようと思っても、類似効果アイテムが多すぎで、一番効果の高いアイテムを探すのがいちいち手間がかかってとにかく面倒。戦い方に合わせて選択肢を増やしてくれたのかもしれないけど、それを有効に使えるだけの技量を持っているユーザーはそんなにいない気がする。
- などなど、UIやシステムについての不平不満はいくらでもでてくるんだけど、100時間もあそんでいるとその不便さにも慣れてきてしまうのが恐ろしい…。
- あとはレアブレイドの仕様がなぁ…。たくさん種類を用意してくれたのはありがたいし、入手にランダム要素を持たせたことでマンネリ化防止になってもいるんだろうけど。それでも、スマホのガチャゲーを参考にしてまったかのような仕様はちょっとなぁ。ガチャの結果、ロールに合わないレアブレイドを引き当ててしまった時のがっかり感とか…*6。あと、いろんな人気イラストレーターによるキャラデザインも、自分にはキャラの統一感が失われただけで、メリットよりもデメリットを感じてしまった。
- ちなみに、ガチャでナナコオリを引けていないので、悪名高いナナコオリの傭兵団任務はいまだに知らない。たぶんこれは幸せなことなんだろうw
ゼノブレイドクロスといい、今作と言い、UIまわりをもっと作り込むだけで1ランク完成度があがりそうなのに、本当にもったいなさすぎる…。それでもこれだけ時間をかけてエンディングまで遊び続けたってことは、やっぱりゲームとしては楽しめたんだよね。なのに手放しで褒めることができないという、このもやもやが…。
以上をまとめると。たぶん、シナリオの評価に対しては個人差がはっきりでそうに思う。バトルは、最初のとっつきにくさを越えることができればどんどん楽しくなる。良い面を素直に受け入れると評価が高くなるし、逆に悪い面を減点していくとどんどん評価が下がってしまう、そういうゲームなので、万人受けはしないだろう。まぁ、万人受けを狙ってこのシリーズの良さが消されるのは望まないんだけど…、前作の完成度の高さを考えるともっと高望みしたくなっちゃうんだよなぁ。
※ 1月25日追記
せっかくクリアしたんだし、ネタバレを恐れる必要もなくなったので、ゼノブレイド2の攻略サイトや感想に目を通している。その中で、こんな考察を目にした。
最終章で、クラウスの告白の中で、クラウスとガラテアのやり取りが出てくる。このシーン、既視感があるなぁ…と思っていたんだけど、前作のラストで明かされる世界の秘密と内容がかぶっているんだよな。すっかり忘れていた。クラウスの半身が前作のボスであるザンザという考察は、なるほどそういうことだったのか…と思わせる説得力がある。
ただ、それとは別に、発売直前に公開された高橋哲哉氏へのインタビュー記事では
4Gamer:
ストーリーや世界観につながりはないんでしょうか。高橋氏:
はい,直接的なつながりはなく,ゼノブレイド1の直系のタイトルとしてイメージしてもらうための「2」という意味合いが強いです。
ともある。直接的なつながりはないと言っている。
クラウスという人物のことが明らかになるのは、前作も今作も物語のラストだ。そして両者のメインクエスト自体には連続性はない。つまり直接つながっているわけではない。ただ、それぞれで登場する半身が、世界設定において間接的につながっているという解釈をするのであれば、上記インタビューとの整合性をとることもできなくはない、ってことなんだろうか…?