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「七王国の騎士」読了

感想はおおよそTwitterで触れたとおり。




氷と炎の歌本編の、重厚長大すぎるボリュームがゆえに避けてきた人こそ、一度手にとってみてほしいファンタジーかもしれない。

七王国の騎士 氷と炎の歌 (早川書房)

七王国の騎士 氷と炎の歌 (早川書房)

以下、少しだけ感想の補足。

1つ目の中編は過去に読んだことあったのだけど、すでに細かい内容を全然覚えていなかったw ラスト、7対7の決闘になるくだりは、そうそう!こうやって盛り上がるんだった!なんて記憶もよみがえったのだけど、その後のほろ苦さまでは印象に残ってなかった。たぶん、当時はターガリエン家のつながりをそこまで意識してなかったのかもしれないなぁ…。

2つ目と3つ目の中編は、どちらもこの物語からさらに遡ること十数年前におきた、ブラックファイアの反乱と深くつながるお話。本編でもなんどかブラックファイアの反乱というキーワードは目にすることがあったのだけど、それが具体的な歴史として内容が膨らんでいくので、シリーズのファンにはよりたまらない話かもしれない。ただ、メインになるのは主人公ダンカンと従者エッグのドラマであり、そこでみせる騎士道とは?という問いに、愚直なまでにまっすぐな主人公を楽しむ、王道ファンタジーの醍醐味が主軸になっている。

いずれも、本編に直接的につながる話にはなっていないので、シリーズ未読の人でも楽しめる内容だと思う*1。様々な登場キャラの思惑が複雑に絡み合う本編よりも、主人公が一人に固定されている今作のほうが、物語の入り込めやすいとも思うので、ファンタジーは好きだけどこのシリーズは敬遠してきた…という人こそ、ぜひ手にとってみてほしいかも。

あ、もちろんシリーズのファンも楽しめるお話だと思うので、要はファンタジー好きならみんな読んどけ!って結論で締めたいと思います。まる。

そうそう、この本に興味を持つ人は、たいていハヤカワのTwitterアカウントをフォローしてると思うので、すでにご存知の人も多い気はするけど。スケジュールの都合で、訳者が巻末に残せなかったあとがきをcakesで公開してます。とても濃い内容になっているので、未読の方は合わせてどうぞ。

cakes.mu

*1:人名のわかりにくさを乗り越える必要があるのは本編と共通しているんだけどもw