ドラゴンズクラウン・プロをクリアした
年末年始のPSストアのセールで、ドラゴンズクラウン・プロ(以下ドラクラ)が半額になっていたのでダウンロードした。ドラクラは無印版をPS3で一度遊んでいたんだけど、当時はこのゲームを楽しいと思う前に遊ぶのをやめていて、難易度ノーマルですらエンディングをみていない*1。自分の性格上、一旦積んでしまったゲームを再び遊びなおすのはかなり珍しいのだけど、ここにきてもう一度遊んでみようと思ったのは、去年遊んだオーディンスフィアと十三機兵防衛が極上の手触りだったからだ。同じヴァニラウェア製であるドラクラはなんでいまいちだったんだろう?という疑問から、もう一度遊んでみようと思ったわけですね。そして…思いっきりはまってしまったとさ。
で、70時間ほど遊んで難易度インフェルノのエンディングを観ることができたところで、自分の中で一段落ついた気がするので、感想をざっくりとまとめてみたい。
- ゲームは横スクロールアクション。2Dだけど奥行きがあるので、俗に言うベルトスクロールアクションというやつですね。ヴァニラウェアらしさ全開の美しいマップにヌルヌル動くキャラクターのアニメはもちろん今作でも健在。というか、背景や一枚絵の美しさは群を抜いているかもしれない。無印版を初めて遊んだ頃の記憶だけど、ダンジョンを選択する時の背景だったり、魔法使いの塔の外周をぐるりと移動するときのアニメーションを観たときの衝撃と感動は今でも忘れられないしなw
- 遊び始めてすぐに思ったのは、視認性の悪さ。画面内に表示されるキャラ数が多くなってエフェクトももりもりになると、途端に自分の操作キャラを見失って、今どこにいなくなるかわからなくなる…。今思えば、無印版を遊んだときも同じことを思って、それがストレスになって早々にくじけたような気もする。
- ただし、コンフィグ設定をいじることで、それなりに視認性を改善することができることに気づいてから、ようやくゲームが楽しくなってきた。これ、デフォルト設定があまり良くないと思うんだよな。そしてそれなりに慣れた今でも、シチュエーションによっては自分がどこにいるかわからなくなることがあるんだけど…。
- ステージ数はさほど多くなくて*2、それを周回してハクスラを楽しむってのがゲームの基本部分になっている。ゲームにおいて繰り返し作業が単調に感じられるとすぐに飽きてしまう自分にとって、この周回要素は合わないのでは?という気がしていたのだけど、いざ遊んでみると全然苦にならなかった。1ステージをクリアするのに10分程度なので、気軽に遊べるのが良かったのかもしれない。
- 難易度ノーマルで各ステージのAコースを巡る過程がゲームのチュートリアルになっていて、ドラクラのメインシナリオも兼ねている。ドラクラ自体がTRPGを意識したファンタジー世界の物語で、メインシナリオはテキストベースで淡々と進むし、ボリュームもさほど多くないので、ヴァニラの過去作(オーディンスフィアや朧村正)のようなストーリー性を期待するとかなり肩透かしをくらうと思われる。
- チュートリアルが終わったあとでオンライン機能も解放されるのだけど、ゲームが発売されてからかなりの月日が経っているにもかかわらず、今でもそれなりにランダムマッチするところに根強いファンがいることを伺わせる。
- で、このランダムでマッチングされる相手は、自分みたいな初心者もいれば、超高火力の上級者もいて、本当にピンキリである。初心者パーティーになってボス戦でひいひい言うこともあれば、上級者のおかげで自分が何もせずにサクサクステージクリアできちゃうこともあるんだけど、後者の場合はゲームを楽しめている感がまったくないので、そういう人とマッチングしちゃった場合は早々にパーティーから抜けるようにしていた*3。自分で攻略している手応えがないと、ゲームを楽しめている気がしなくなるんだよね。
- とりあえず今回は、まずはエンディングを見届ける!ということを目標に、難易度ノーマルで、初心者向き扱いになっているファイターを選択。今思えば、無印版を遊んだときもファイターを選んでいた気がする。
- そのファイターの特性として敵の攻撃をガードできるので、ガツガツ前線で敵を押しまくりつつ、危なくなったらガードすれば大抵のシチュエーションを乗り切れますよ、というのが初心者向けのコンセプトだと思われる。さらに、敵のヘイトを集めるタンク役のほか、ガードスキルを効果的に使うと味方の攻撃力を上げるバッファーになったりもして、パーティープレイにも向いた万能キャラ、のはずなんだけど、どうも自分ではその特性を使いこなすことができなかった。乱戦になると自分がどこにいるか見失いがちになって、そうすると効果的な立ち回りができなくなるんだよな…。
- 難易度ノーマルでも、ガーゴイルゲートにレッドドラゴン、そしてラスボスのエンシェントドラゴンにはかなり手こずった。レッドドラゴンは、ゲームマスターの言う通り奥の通路に移動して戦ってると、削りきれずにタリスマン取得に失敗しがちだったのだけど、一度オンラインでマッチングしたパーティーメンバーが、最初のエリアで普通に戦闘を開始して、しかもあっさり勝ってしまって、おいおいそういうことなのかよ…って思ったよね。
- ラスボス相手に2回連続で全滅して、こりゃあかんと思って攻略サイトの解説を頼ってしまった。一度ギミックを理解するとそこまで難しくはなくなるんだけど、自力でそこまでたどり着けなかったのはやっぱりちょっと悔しかった。
- というわけで、今回は晴れてエンディングを見ることが出来た。まずは最初のノルマ達成である。ここまででおよそ20時間くらいだったかな?クリアしたことで難易度ハードが解放されて、このままファイターで遊び続けるのもありだったのだけど、どうも自分は近接タイプよりも遠隔タイプのキャラのほうが使い慣れているのでは?*4という気もしたので、一度別キャラを触ってみることにする。
- ソーサレスとエルフで悩んで、とりあえずお試しでエルフを使ってみたら、なんだかファイターよりも操作感覚がしっくりきたので、エルフでもう一度遊び直してみることにした。今になって振り返っても、たぶんこの選択が自分にとっては正解だったんだろうなぁと思う。
- エルフの最大の特徴は、もちろん弓による遠隔攻撃になるわけだけど、矢には本数制限があるので、ひたすら連射すればどうにかなるわけではない。なので一応リソース管理も必要になるのだけど、こまめに矢を補給することを意識していれば、硬いボス以外では矢不足が深刻になるほどでもないし、うまいことバランスが取れているようにも思った。
- あと、エルフにはガードというアクションがないのだけど、その代わり回避性能がとても優れている。ファイターを使っていたときに、敵からの攻撃に対してガードと回避という選択肢があって、自分にはその使い分けがさっぱりできなかったのが微妙にストレスになっていたのだけど、とれる手段が回避のみに制限されたほうが行動がシンプルになって、自分にはとてもわかりやすかった。
- 近接組は、○ボタンをつかった強攻撃アクションや、敵から大ダメージをくらったときに、自分の武器を手放すシチュエーションがあって、これがまた自分の武器がどこにいった問題につながってストレスになりがちだったのだけど、エルフはそれがないのも良い。
- などなど、自分にはエルフを操作するメリットがとても大きかった。最初のキャラ選択時、エルフも上級者向け扱いになっていたけれど、全然そんなことはないと思うんだよなー。
- そんなこんなで、エルフでも難易度ノーマルでクリア。今度はそのまま難易度をハードにあげて遊び続けてみた。最初のうちこそ食らうダメージが大きくなった実感があったけれど、各ダンジョンの適正レベルになれば難易度がそこまで上がったような印象はなかった。そのまま勢いでハードでもクリアできた。
ドラゴンズクラウン、ハードでクリアできた。難易度が上がっても適正レベルまでキャラを育てればそこまで難しいとは感じなかったな。ラスボスのドラゴンはギリギリだったけどw 次はインフェルノか。このまま続けるか、一段落つけるかちょっと悩むなー…。
— shaw (@hashimukai) 2020年2月18日
- さらに難易度インフェルノにも挑戦してみることに。最初のうちこそ気を抜くとボスの攻撃であっという間に昇天してしまったので、さすがインフェルノ、名前負けしていないぜ…と思ったのだけど、これまた各ダンジョンの適正レベルまでキャラが育つことで、思ったほど苦戦せずにボスを倒せることが判明。さすがにここまでくると、下手なりにもバトルのコツが身についてくるしな。エルフで火力を出すコツがわかってくると、この難易度帯でもけっこうゴリ押しが通用しちゃうんだよなw
- 気がつけば、難易度インフェルノでもエンディングを観ることができた。ここまででプレイ時間がおよそ70時間。軽い気持ちで遊び始めた時は、まさかここまで到達できるとは思っていなかった分、それなりの達成感を味わうことができた。
ドラゴンズクラウン、インフェルノでクリアできた。ドラゴンに特化した装備を地道に集めてきたおかげか、最後のドラゴンにあまり苦戦しなかったな。まぁこれで3度目だし、戦い方もわかってるしな。まだまだやりこみ要素がたっぷり用意されているみたいだけど、もうお腹いっぱいだし一区切りつけよう。
— shaw (@hashimukai) 2020年2月24日
- インフェルノクリアで一区切りのつもりでいたのだけど、攻略サイトをチェックしていると混沌の迷宮の9層にデーモンロードというボスがまだ残っていることを知って、もうちょっとだけ頑張ってみることにした。この時点でレベルこそ90台前半だったのだけど、それなりに装備が整っていて、ボスの攻略方法も一通り身についたこともあって、それほど苦労することなく9層まで到達。デーモンロードとの対決では、事前に寺院でライフポイントを5まで上げて、死を恐れずに特攻気味に戦ってみたら、なんとここもゴリ押しが通用してしまった。かなりギリギリではあったけれど、勝利は勝利である。エンシェントドラゴンと違って、寺院でのお祈り効果が適用される分、楽っちゃぁ楽なのかもしれない。
- デーモンロードを倒したことで、難易度ウルティメイトが解放されたけれど、さすがにこれ以上続けると時間がどんどん奪われていく予感がしたので、これで本当の一区切りとしたい。ハード→インフェルノでたどってきた道が同じことの繰り返しだったので、少々マンネリ気味になってきてたしな…。
- とはいえ、ハクスラの醍醐味である装備集めが楽しくて、今でもSランク装備を鑑定するときのドキドキ感はたまらないものがあるので、今後もちょっとした気分転換で遊んでしまいそうな気もするw
- これだけドラクラの世界を堪能した今、以前購入したアートブックを改めて眺めてみると、そのビジュアルの美しさにとにかく圧倒されてしまった。イラストレーターが一人だけじゃないこともあって、ゲーム内で使用されるイラストの個性にけっこうばらつきがあるんだけど、それはそれで味があって楽しめるしね。
- ドラクラ・プロでは音源もパワーアップしていて、オーケストラアレンジが追加されて、デフォルト設定ではこのオーケストラアレンジが使用される*5。オリジナル音源も十分オーケストラっぽい音だったのだけど、さらなる贅沢を味わえるのも特徴の一つになっている。
…などなど、廉価版を半額セールで購入しちゃって申し訳ない気持ちになってしまう程度にはゲームを満喫することができて大変素晴らしかった。ベルトスクロールアクション&TRPGっぽい世界観&ハクスラというゲームのコア部分には目新しさはないので、悪く言えば時代遅れというか古臭さはあるのだけど、それをヴァニラウェアが本気で料理した結果、好きな人にはたまらない極上のゲームに仕上がったわけで、この職人芸には唸るしかないよなぁとしみじみ思うわけです。
ヴァニラウェアの次なる新作がどんなジャンルで、いつごろ遊べるものなのかも不明だけど、その日がくることを楽しみに待ち続けたいですね。
- 作者:週刊ファミ通編集部
- 発売日: 2015/11/30
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- アーティスト:サウンドトラック
- メディア: CD