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自分の趣味について書き散らかす雑記ブログ。

星を継ぐもの

かなり前に購入してた「星を継ぐもの」というSF小説、ちょっとした時間の谷間に少しずつ読み進めていたんですが、かれこれ2ヶ月くらいかけてようやく読了した。一気に読もうと思えば1〜2日くらいで読めちゃう分量の本なんだけどね。

さて、このお話、ものすごく本格的なSF小説でした*1。冒頭から科学をしっかり科学として描きつつ、月で発見された500万年前の人間(と非常に似た生物)の遺体の謎を、最後の最後まで読み手を飽きさせることなく、ラストのオチまでしっかりと魅せてくれました。

ルナリアンの進化の過程については、いろいろ想像しながら結局予想とはずれちゃいましたが、月についての謎は途中から想像していたとおりで、ラスト近くでその謎解きのくだりのあたりでニンマリしちゃいました。途中で新事実が判明されるたびに、それまで頭の中で考えていたことが一転二転したり、新しい情報を手がかりに自分なりにあーでもない、こーでもないとじっくり想像しながら読めたので、話のボリューム以上に漫喫できた感じかな。

ところどころディテールの描き方がマニアックすぎて、そういう部分にあまり興味がなかった私にはテンポを削ぐ一因になってしまって、その辺がちょっとしたマイナス要素でしたけど、総合的に考えると満足度は非常に高いです。SF小説にあまり興味がなくても*2、話の筋道はかなりしっかり練りこまれているので、万人向けの良書だと思いました。

星を継ぐもの (創元SF文庫)

*1:SF好きな人にはあまりにも有名な本なのかな??

*2:実のところ、自分もそんなにSFには興味がないw