電子書籍について考える
iPadの発売が少しずつ近づいてきましたねー。私には、iPadというガジェットの魅力がいまいちわからないんですが、それはすでにiPhoneを持ってるからなのかもしれない。
さて。iPadには、appleによるキンドルつぶし端末としての見方をする向きもあります。appleブランドの力で、amazonが一歩以上リードしている電子書籍販売のシェアをごっそり奪おうということですね。当然その考えは間違ってないと思うのですが、じゃぁ電子書籍を読むための端末としてiPadが優れているかというと、これは私にはいまいちわからない。iPadの実物をみたことないしね。
対して、キンドルは実物を直接みたことがあるんですが、これにはちょっと驚いた。キンドルは、電子ペーパーという技術が使われているのですが、通常の液晶ディスプレイとは全然違って、画面に光の反射が全くないんです。ものすごーく文字が読みやすい。日本語対応してないキンドルだったので英文しか読んでないんで、日本語の場合にどのくらい読みやすいのかは未知数って面はあるんですが、そんな心配の種になることじゃなさげかなぁと。
以前、ニンテンドーDSで「DS文学全集」というソフトを購入して、すこしDS上で日本文学を読んでた時期があったりしますが、これは結構すぐにくじけちゃった経験があります。ページめくりのインターフェースはしっかり出来てたんですが、読んでてすぐに眠くなっちゃう。原因はいまいち分析できてないんですが、
- 紙じゃない
- 本じゃない
- ディスプレイの質感
- 音楽(環境音楽はいかんですな…w)
- そもそも日本文学が個人的にNGだった可能性…?(おい
って線が考えられそうかな?
読書好きな人に電子書籍の印象を聞くと、「紙じゃないと…」という意見がやっぱり多くて、これは私も同意しちゃう点ですが、長年紙媒体で本を読むことが習慣付いた結果だと思うので、慣れれば解消される可能性は高いと思ってます。やっぱり最大の問題点は、長時間読むに耐えうるかって点で、つまりは端末自体の性能に掛かってるのかなぁ…と。
で、考えてみるに、読みやすさは、
- 目に優しいか
- 持ちやすいか
- ページをめくりやすいか
の3点に集約されるのかなぁと思うんですが、これが電子書籍として一番影響するのは「目に優しいか」という点じゃないかと思うわけです。で、DSはこれをクリアできなかった。だって普通のバックライト式液晶ディスプレイだから。どうしても光が反射しちゃう。
この点を考えると、iPadって、本当に電子書籍リーダーとして素晴らしい端末になりうるのか、どうしても謎なわけです、個人的には。iPadはキンドルのような電子書籍専用端末ではなく、万能型携帯端末なわけじゃないですか。なので、電子ペーパーを端末に導入することはどうやったって選択肢になり得ないわけで。appleのことだから、リーダーとしてのインターフェースは本当に素晴らしい物を作り上げてくると思うし、電子書籍の販売ルートとしての仕組みも既に用意されているので、手軽に電子書籍を手に出来て便利なのは間違いないと思うし、それによって多くのユーザーをすぐに獲得できるとも思うけど、そのユーザーをずっと満足させられるのか、こればかりは実際にiPadを使い始めたユーザーの声を聞いてみるしかわからないなぁと思ってます。
だからといって、キンドルが日本でヒットするかというと、これも怪しい。それは、キンドルという端末が日本人ウケするようなスタイリッシュさを持っていない…という点が大きいと思ってるんですがw
ま、キンドルにしろiPadにしろ、今の日本には電子書籍の流通ってものがそもそも無いに等しいので、日本じゃどっちの端末が売れるんだ!?って話は現状するだけナンセンスなんですけどね!
あっと、ついでに。つい先日ニュースになっていたのが、amazonがキンドルのiPhoneアプリを無料配信始めたという話。
http://japan.cnet.com/mobile/story/0,3800078151,20405319,00.htm
これを見て、はやくもiPadに対してamazonが白旗を揚げたなんてみることは当然できません。それは、amazonにしろappleにしろ、電子書籍によるもうけは、リーダー端末よりも、電子書籍データの販売のほうがずっと重要だからです。amazonとしては、すでにブルーオーシャンだった電子書籍リーダーで特需の恩恵はそれなりに受けただろうし、この先競合が増えてきたら端末で儲けることは重要視しなくなるんじゃないでしょーか。
ただ、電子ペーパーというのは、長時間本を読む人には欠かせないファクターだと思うし、amazonもそこは今後も考慮しつづけた端末戦略を行うんじゃないかなぁとは思うけど。もうちょっとこう、無骨さを感じないデザインになればいいのに…。