コミカライズ版ここさけ完結
つい先日刊行された4巻にて、綺麗に完結していた。
心が叫びたがってるんだ。(4) (裏少年サンデーコミックス)
- 作者: 阿久井真,超平和バスターズ
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2016/08/12
- メディア: Kindle版
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近年、原作もののコミカライズのクオリティが高くなったなぁ…なんて思うことが増えたのだけど、そんな中でも屈指の完成度だったと思うわけです、わたしは。
ただね、アニメ映画版を観ている人からすれば、中盤以降大きな意味を持つミュージカルを、漫画でどうやって表現するの?という疑問を持つだろうと思うし、その点においてどうやっても映画には及ばないわけです。映画の良さって、動きだけじゃなくて音も重要なウェートを占めているんだよね、当たり前のことなんだけど。特に今作では、しゃべることができなくなったヒロインが歌に思いを込めるというシチュエーションがそのまま感情移入するポイントだったりするので、それを音を使わずにコミカライズとしてできうる限りで表現するのは実に難しい挑戦だったと思う。個人的にはその挑戦をやり遂げているように思ったんだけど、他の人はどんな感想なんだろうなぁ…。
その他雑感を簡単に。
- 全4巻というボリュームがちょうど良い感じ。2時間尺の映画をコミカライズするなら、3~4巻が収まりの良い長さなんだろうな。
- 何気に連載期間がちょうど1年間だったらしい。連載誌次第かもしれないけど、このボリュームって場合によってはあともう1年間くらいかかりそうなものだけどな。原作映画の熱量がまだまだ自分の中に残っている間にコミカライズも完結してくれるってとてもありがたいことだと思う。
- 1巻の内容に、オリジナル映画では描かれていない前日譚的なものも含まれるので、コミカライズすることに意味あるの?派な人にもまずは1巻を手にとってみてほしいなぁ。
- 2巻以降はほぼ忠実なコミカライズ。上述の通り、主人公がアコーディオンやピアノを演奏するところも、ヒロインが歌うところも、ラストのミュージカルもすべて絵のみでの表現なので、そこをどう思うかで判断はわかれるかもしれない。
- 個人的に、ヒロインの声優をやってた水瀬いのりの声質がとても好きなので、それが味わえないのは大きなハンデだなぁと思いましたw
- 映画を観ずにコミカライズ版だけ読んでる人はあまりいないかもしれないけど、映画と漫画それぞれの良さってものがあると思ってるので、どちらか一方が気に入った人はもう片方にも手を出してみて欲しいなぁ…と思わずにいられない程度に、映画も漫画も気に入ってます。
- コミカライズを担当した漫画家さんには次回作も頑張ってほしいけど、コミカライズが巧いからといってオリジナル漫画も面白いとは限らないのが難しいところなんだよね…。