七王国の玉座 第5巻
一気に読了。ここまで物語の中心的な役割を果たしていたエダードはすでに囚われの身になっていて、この巻でその役割も終了。もうね、どのキャラクターにどういう運命が待ち構えているのか、簡単に予測できませんね、この物語は。そこに魅力が詰まっているわけなんですけどね。
この巻の最大の見所は、ラニスター家とスターク家という2大勢力のぶつかりあい。ここまでラニスター家の思いのままに覇権争いがすすんでいて、その流れの中でエダードに過酷な運命が待っていたわけですが、スターク家はエダードの息子ロブが急成長を遂げて*1、ラニスター家に大きな一撃を返すことに成功。これで玉座を巡る争いはいっそう混沌とした状況になりました。
同時に、海を隔てた東の地でも大きな動き。たびたび挿入される、デーナリスというドラゴンの血を受け継いだ娘のパートでも、いきなり事態が急変。それが引き金となって、第1部の最後の最後で3つのドラゴンの卵が孵化しちゃいました。ここまで、ファンタジーらしい要素がそれほど濃くなかった本書ですが、この先この3匹のドラゴンがどういう風にストーリーに絡んでくるのか、俄然楽しみです。
で、いろんな局面が動いたところで第1部「七王国の玉座」は完結。続いて「王狼たちの戦旗」に続いていくわけですが、一気に続き*2に手を出すか、いずれ文庫本化されるだろう頃まで待つか、かなり悩み中。とりあえず出版元の早川書房に、第2部の文庫本化の予定をメールで質問中。でも、第3部が11月に邦訳されて単行本で出るらしいし、それを考えると文庫本を待つことなんて自分には多分出来ないな…と思っていたりもするけど。
しかし、1巻目を手に取って読み始めたときは、ここまで盛り上がる話だと期待してなかったんで、かなり嬉しい誤算ですねー。逆に「エルリックサーガ」は私には合わなくて、ついに前の巻で読むのを中断しちゃいましたが、それでもハヤカワの翻訳本には個人的にはずれが少ないので、他にも発掘してみる価値のある本は多そうな感じ。今はとりあえず読みかけの「悪童日記」からかな。こっちはファンタジーではないですが、かなり強烈な内容です。読了したらまた触れることにしよう。