ジョエル・オン・ソフトウェア
ここのところずっと、通勤時間を使って「ジョエル・オン・ソフトウェア」を読んでました。もうね、ものすごく面白い。ソフトウェア開発の経験者だったら一度は読むべきバイブル本と言ってもいいんじゃないですかね。ワタシは、あと2年は早くにこの本を読みたかった。だいぶ前に、前の職場の同僚に薦められたことがあって、ずっと気にはなってたのですが、そこですぐに手を出さなかった自分に後悔。
マイクロソフトに在籍中、エクセルの開発に携わっていた著者が、ソフトウェア開発とはどうあるべきかをユーモアたっぷりに、でも実用的でもある内容が一杯で、読み応え十分。親マイクロソフトな面が強いので、OSとしてのWindowsはともかく、VBとかASPとか.netって、そんなに素晴らしい世界だったのか…とイマイチ実感が湧かないながらも読み進めてたんですが、本書の最大の魅力はそれ以外の部分。ジョエルテストとして紹介されている12の項目についてなんですが、これがもうね、「あぁ、もっと早くに読んでおきたかった…」という充実した内容なのですよ。
今思うと、前にいた職場はSIerを名乗っていただけあって、ジョエルテストでも結構良い線行ってたんですよね。でも、今の職場みたく、SEが2〜3人しかいないような環境では、自分で把握できる範囲が仕事のすべて、という面もあって、ジョエルテストでは散々な結果に。それでも仕事はそれなりに回っていたけど、改善できる点は多々あるなぁと頷きながら読ませていただきました。まぁ、すべてがすべて必須かといわれると、環境によっては違いがあると思うんですが、すぐにでも取り入れるべき点はさっそく導入してみようっと。
あと、本書で一番笑った部分。って言うか、激しく頷いてしまった部分でもあるんですが。
ひとたびフロー状態になると、それを維持するのは難しくない。私の1日の多くはこんな感じだ。(1)仕事に取り掛かる。(2)e-mailをチェックしたり、Webを見たり、その他のことをする。(3)仕事に取りかかる前にランチを取ったほうがいいと判断する。(4)ランチから戻る。(5)e-mailをチェックしたり、Webを見たり、その他のことをする。(6)いい加減始めたほうがいいと心を決める。(7)e-mailをチェックしたり、Webを見たり、その他のことをする。(8)本当に始めなきゃいけないと、再び決心する。(9)くそエディタを立ち上げる。(10)ノンストップでコードを書いていると、いつのまにか午後7:30になっている。
これって…。まんま今のワタシじゃんw
しかも著者は続けて以下のようなことを言っている。
ステップ8とステップ9の間のどこかにバグがあるようだ。というのも、私はいつもこの溝を飛び越えられるわけではないからだ。私にとっては、始めることこそが唯一困難なことなのだ。
最近ずっと、プログラムを書き始めるのにかかる時間の長さに悩みを抱えていたのだけど、それって自分だけじゃないんだ!とちょっと気持ちが楽になりました。でもまぁ、いかにしてすんなりとプログラムを書けるような状況を作り出すか、それが重要なわけだけど。
仕事のやり方、やっぱりもっと考えないとな…。
- 作者: Joel Spolsky,青木靖
- 出版社/メーカー: オーム社
- 発売日: 2005/12
- メディア: 単行本
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