「七王国の騎士」読了
感想はおおよそTwitterで触れたとおり。
「七王国の騎士」読了。氷と炎の歌の外伝というか、本編から100年くらい前の物語を中編で3つ。いずれもどストレートな冒険譚エピソードで、本編の複雑でドロドロとした人間ドラマとはだいぶ様相が異なるのだけど、これはこれでどう話が転ぶのか読めなくて面白かった。続きも読みたいなぁ、これ。
— shaw (@hashimukai) 2016年12月29日
まぁ、マーティン先生にはとにもかくにも本編の完結を最優先してもらいたいところだけどもw
— shaw (@hashimukai) 2016年12月29日
本編との物語のつながりは薄いのだけど、皆無というわけじゃなくて、笑う嵐とかブラックファイアとか青林檎とか、知ったことで得をした気になるキーワードがちょいちょい出てくるのがファンとしては楽しかったりする。
— shaw (@hashimukai) 2016年12月29日
一つだけ苦情を言いたくなるのは、ターガリエン家の連中の名前。エイゴン、エイモン、デイロン、デイモンとか名前が紛らわしすぎるうえに、同じ名前で2世とか3世とかでてくるから、頭は混乱する一方ですよ。マーティン先生、もうちょっとどうにかならなかったもんですかねぇ…。
— shaw (@hashimukai) 2016年12月29日
氷と炎の歌本編の、重厚長大すぎるボリュームがゆえに避けてきた人こそ、一度手にとってみてほしいファンタジーかもしれない。
- 作者: ジョージ R R マーティン
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2016/12/31
- メディア: Kindle版
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以下、少しだけ感想の補足。
1つ目の中編は過去に読んだことあったのだけど、すでに細かい内容を全然覚えていなかったw ラスト、7対7の決闘になるくだりは、そうそう!こうやって盛り上がるんだった!なんて記憶もよみがえったのだけど、その後のほろ苦さまでは印象に残ってなかった。たぶん、当時はターガリエン家のつながりをそこまで意識してなかったのかもしれないなぁ…。
2つ目と3つ目の中編は、どちらもこの物語からさらに遡ること十数年前におきた、ブラックファイアの反乱と深くつながるお話。本編でもなんどかブラックファイアの反乱というキーワードは目にすることがあったのだけど、それが具体的な歴史として内容が膨らんでいくので、シリーズのファンにはよりたまらない話かもしれない。ただ、メインになるのは主人公ダンカンと従者エッグのドラマであり、そこでみせる騎士道とは?という問いに、愚直なまでにまっすぐな主人公を楽しむ、王道ファンタジーの醍醐味が主軸になっている。
いずれも、本編に直接的につながる話にはなっていないので、シリーズ未読の人でも楽しめる内容だと思う*1。様々な登場キャラの思惑が複雑に絡み合う本編よりも、主人公が一人に固定されている今作のほうが、物語の入り込めやすいとも思うので、ファンタジーは好きだけどこのシリーズは敬遠してきた…という人こそ、ぜひ手にとってみてほしいかも。
あ、もちろんシリーズのファンも楽しめるお話だと思うので、要はファンタジー好きならみんな読んどけ!って結論で締めたいと思います。まる。
そうそう、この本に興味を持つ人は、たいていハヤカワのTwitterアカウントをフォローしてると思うので、すでにご存知の人も多い気はするけど。スケジュールの都合で、訳者が巻末に残せなかったあとがきをcakesで公開してます。とても濃い内容になっているので、未読の方は合わせてどうぞ。
*1:人名のわかりにくさを乗り越える必要があるのは本編と共通しているんだけどもw