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ツール・ド・フランス(2017年)雑感

今年も3週間にわたる熱い戦いが終わった。フルームが個人総合4勝目。今シーズンは大会前にほとんどリザルトを残していなかったこと、12ステージの激坂で他チームのエースから遅れをとったことから、今年のフルームには付け入る隙があるぞ…!?と思わせておきながら、その後の展開は盤石そのもの。特に、3週目に入ってからは、タイム差ほど危なっかしい印象のない勝ち方であった。最初と最後にタイムトライアルがあるというアドバンテージを最大限に活かした感じでしたね。それでも終盤まで1分以内に数名で争うという展開は、ツールでは珍しいので、最後まで楽しむことができたんじゃないでしょーか。

さて、個人総合争い以外でもいろいろ見どころはあったけれど、それをここでつらつら挙げたところで面白みはないので、例のごとく、贔屓チームであるクイックステップのファン視点で雑感を述べていきたい。

  • なんと言っても、キッテルによるスプリント5勝というパフォーマンス。ミリ差のステージもあったけれど、ちょっとこれはどうやってもキッテルには勝てないんじゃないか…という圧倒的な勝ち方も多かった。トレインなんて必要なかったんや…!
  • そもそもにして、ゴール前のトレインをまともに組めたチームが殆どなかった混戦っぷりに、チーム間の実力の拮抗を思う。こうなるとエースによる決め手勝負で勝負は決まる。そして今大会一番強かったのはキッテルだったということなんだろう。
  • まぁ、最序盤でサガンカヴェンディッシュが退場してしまったことの影響もあったんだろうけど。正直、サガンが万全の態勢であるかぎり、スプリント賞をサガン以外の選手が獲得するのは無理ゲーな感じなので、キッテルにとって今年はすごいチャンスだったんだけどなぁ…。落車からのリタイアは本当に残念であった。
  • そしてダニエル・マーティンが超頑張った!山岳アシストがほとんどいないチーム状況で、中盤までの粘り方は観ていて熱くなったよ。ちょっと2週目で頑張りすぎたせいか、3週目で踏ん張りきれなかった感もあるけどな。もしリッチー・ポートの落車に巻き込まれていなかったら、もうちょっと楽なレース運びができたんだろうか、とか考えちゃうしな。正直、キッテルシフトのメンバーで、マーティンがここまでリザルトを残せるとは思っていなかった。すまん。
  • ただ、これより上(表彰台)を目指すには、山岳アシストの存在は絶対に必要だと思われる。アラフィリップが怪我をしてなかったら、どんな結果になっていただろうか。来年、改めて楽しみにしたい。
  • Jスポによる実況でもたびたび名前が出てきたけど、平地でのヴェルモートの牽引力がすごかった。こういうルーラーの活躍って、レース中盤までしか見る機会が少なかったりするけど、スタートからゴールまでライブ実況があると、チームを支える縁の下の力持ちタイプの選手にも脚光が集まって良いことだと思った。なにげに3年連続出場って、クイックステップというチームではかなり凄いことだと思うけれど、間違いなくチームとして手放してはいけない選手だよね。
  • ジルベール、スティバル、トレンティンといった、過去にツールでステージ優勝をしたことのある面々は、スプリンターには分が悪い丘陵コースで勝ちを狙いたかったんだろうけど、ほとんどチャンスがなかったですね。サガンビンディングを外しながらも勝ってしまった第3ステージ、マシューズが勝利した第14ステージなんかは、ジルベールも相当狙っていたと思うけど、パンチャーはみんなここを狙っていたし、勝つのは簡単じゃなかったですな。
  • クイックステップ勢としては、総合2位フィニッシュのウラン、スカイのアシスト勢として目立っていた選手の一人クヴィアトコウスキーの活躍が良かったですね。思わず応援しちゃった。ウランは、マーティン以上に山岳アシストがいなかったにもかかわらず、最後までミスらしいミスをせずに最上のリザルトを残したのではないだろうか。クイックステップ時代にジロで総合2位フィニッシュした時も同じような状況だったし、山岳アシストがいるチームだったらグランツール勝てちゃうのでは…?まぁ、ことはそんなに単純ではないわけなんだけどさ。
  • 逆に、マルティンの存在感の薄さがちょっと気になってしまった。2度あったTTで上位には来ていたけれど勝利はできなかったし、その他の見せ場といえば第15ステージで単騎逃げになったシーンくらいか…。カチューシャはクリストフがスプリントで見せ場をつくれなかった影響か全体的にさえなかったし、そんなチーム状況のなかで得意のTTで勝てずに終わってしまうと、本人も悔いの残る大会になってしまったのでは…。まぁ、移籍1年目からリザルトを残すのは簡単なことじゃないしね。

2週目までは、実に見どころ満載で、クイックステップファンで良かったなぁ…としみじみ思いましたね。そして3週目でガタガタと崩れ落ちていくのもクイックステップらしくて、これはもう諦観の念としか…w

他チームについてはここでは特に触れない。雑にまとめるなら、総集編Blu-rayを購入しようと思うほどの思い入れは残らない大会ではあったけれど、贔屓チームの活躍が多かったお陰でゴール前で盛り上がることができてそれなりに楽しかった、といったところか。有力選手のリタイアが多くなっちゃうと、消化不良感が残っちゃうのは仕方あるまい…。

正直言うと、ライブ実況をスタートからゴールまで観た日はなかったし、それどころかゴール前10キロくらいまでは、読書かゲームをしながらちら見していたことが多いくらいで、そこまでがっつりと楽しんだわけじゃないんだけど…、これはまぁグランツールというものにマンネリ感をもってしまっている現状どうしようもないかもしれない。どれだけレース展開が熱くなっても、新鮮味を感じなくなってしまったのがなぁ…。やっぱり3週間は長いんだよな。

ランスがポッドキャストで、1ステージの距離を短くすべきだ、的な提案をしていたらしいけど、試してみる価値あるんでないかなぁ…。3週間で3000キロ以上を走って勝負を決めるというのはもちろん凄いことだし、ロードレースを観始めた頃は、その長丁場の中でギリギリの勝負を決めることにドキドキしていたけれど、それに慣れてくると重要なのは距離ではない、ということに気がつくと思う。中の人だってそう思っていたりするんではないか。でもそこは歴史の重みが邪魔をするのだろうか。

それに、Jスポの実況陣だってこの長丁場はかなり大変だったと思うんだよなー。話の内容の鮮度を維持することだって簡単じゃないだろうしさ。そこに予算を無駄にかけるくらいなら、頑張ってDAZNから北のクラシックやジロの放映権を奪い返してくれるほうがよほどうれしいのだけどもw