十三機兵防衛圏をクリアした
個人的に、年末に発売されるゲームの中でもっとも楽しみにしてたゲームだったのだけど、これがもう期待以上の面白さで。一言、傑作だった。
十三機兵防衛、エンディングを観た。めちゃくちゃ面白かった。また一つ、アドベンチャーゲームの傑作に出会うことができて俺は幸せである。が、まだ腑に落ちない点というか、理解できてない箇所があるので、明日以降究明編を熟読しなければならんなー…。
— shaw (@hashimukai) 2019年12月9日
ストーリー良し、ビジュアル良し、音楽良し。RTSなバトルも、最初はちょっと面倒に思っていたけれど、エリアが開放されるにつれていつのまにか楽しんでた。ヴァニラウェアさん、このゲームを世に出してくれて本当にありがとう!と言いたい。以下、いつものように感想というか、雑感を箇条書きで。ネタバレは気にしないで書いてるので、閲覧注意。
- クリアまで40時間。バトルの難易度はノーマル。ヴァニラウェアのゲームはだいたいこのくらいのボリュームですね。もっと長くこの物語に浸かっていたかった気持ちもあるけれど、ストーリーについてはこれ以上付け足しても蛇足にしかならないだろうし、ちょうどよいボリュームだったんだろう。
- めずらしくトロフィーをコンプリートした。特に無理をすることなくすべてのトロフィーが取得できる難易度。エンディングまでたどり着けば、その時点で80%は超えてるしな。
- とにかくストーリーが最の高である。極力事前情報なしで遊び始めた*1のだけど、まさかここまでSFな物語で、かつSF設定ごった煮なゲームだとは思っていなかった。なので、遊び始めてすぐに、次から次へとどこかで観た(or読んだor遊んだ)SF設定がわいてくるのにはかなりびびった。
- 正直途中で、これほんとうに広げた風呂敷をたためるの?と疑問に思っていたし、収集がつかなくなってがっかりエンドになったらもったいないよな…なんてことを心配していたのだけど、いやー、もうね…杞憂だったわけですよ!
- そのストーリーについては、何を言ってもネタバレに繋がりかねないし、冒頭でネタバレは気にしないで書くと宣言しつつも、そこはやっぱり直接的なことは言い難い。オチに関しても、「なんだ、〇〇じゃねーか」と言ってしまうのは簡単だけれども、そこに至る過程だとか、盛り上げ方とか、もろもろ踏まえた上ですべてに決着をつけたことを考えると、本当に素晴らしい内容だったと思うんです。
- エンディングを観てトロコンしたあと、3日ほどかけて究明編のテキストやシナリオアーカイブを振り返って、今まで腑に落ちなかった点がようやく理解できた。シナリオを時系列に並び替えてもわかりにくい箇所あるのに、それをあれだけバラバラにしたうえでザッピングさせてるんだから、かなり無茶やってるよなーと思った。それでもシナリオ初見でおおよそは理解できるんだから、ザッピングでのシナリオ配置加減が絶妙だったってことだよね。
- 本編を遊んでて自力で理解できなかったポイントは、鞍部、冬坂、網口の三人が夢で見るシーンのつじつま合わせ。夢だしフェイクも混ざってるのかな?とまで思っていたのだけど、そんなことはなくて時系列に正しく並べることができれば理解できる。途中までループの概念がいまいちしっくり来てなかったことが理解不足につながったんだよな。そうか、2周前と1周前だったかー…みたいなね。
- このインタビューを読むと、もともと究明編の実装は考えていなかったみたいなんだけど、自分みたいなプレイヤーのことを考えると、究明編の実装はとてもありがたかった。物語の全容が見えた今、改めて最初から遊んでみると、それはそれで面白そうだけど、それはしばらく間をあけてからにしたい。
- 究明編のボリュームを振り返るのは面倒な人は、こういうネタバレ前提の考察サイトも役立つだろう。
- 13人分あるアドベンチャーパート、それぞれにテーマ(ストーリー手法)があって、物語を読みすすめるのにメリハリがついているのも良かった。緒方パートのループネタとか、薬師寺パートの魔法少女ネタとか、関ケ原パートの記憶喪失ネタとか。冬坂パートしょっぱなの遅刻遅刻ー!とか、わかっていてもニヤニヤしちゃうしなw
- 13人+αの主要キャラ、みんなに見せ場があって、エンディングを観る頃にはどのキャラにも思い入れができてるわけなんだが、その中でもお気に入りキャラを挙げるならば、焼きそばパンの君こと薬師寺かなー。黒髪長髪メガネ黒タイツの優等生なのに一途で料理上手。なにこの盛った設定。いや、自分でもわかってるんです、何も言うな。
- 各キャラの最後で機兵に乗り込むシーンが本当に良い。
機兵起動が胸熱すぎたので13人分まとめた #PS4share #十三機兵防衛圏 pic.twitter.com/i7PhMYVWo1
— なり (@Nari_894) 2019年12月8日
- ヴァニラウェアゲームといえば料理描写。今作は比較的おとなしめな感もあるけど、要所要所でしっかり有効活用されている。焼きそばパン!
- バトルは、プロローグを遊んだ感触だとあくまでおまけ程度の要素かな?と思ったし、序盤は何も考えなくてもさくさくクリアできたのだけど、途中から難易度があがるにつれて遊びごたえが出てきて楽しくなった。3エリア目の2つ目のマップで初めて防衛に失敗して、しかもリトライにも失敗して、ようやく機兵の強化や選択に向き合うことに。機兵タイプごとにバトルにおける役割を考慮したうえで、どのスキルをメインに使うか、相手に合わせるにはどうするのか、一度理解してしまえばそこまで難しいバトルでもないんだけどね*2。
- 少なくとも、緻密に戦略をたてて、リソース管理をシビアに行いつつ敵を削り切る、みたいな方向の面白さではなくて、大量に湧いた敵を効率的に迎撃してスカッとするバトル設計なので、そういうのが好きな人はかなり楽しめると思う。ラストのバトルで、敵味方含めて大量のミサイルが飛び交った結果処理落ちしたけど、あのくらいケレン味のある物量表現、視聴覚効果も含めて個人的に楽しめた。アドベンチャーパートが出色の出来なのでついつい後回しにしがちではあったけれど、終わってみればあのバトルもあってのゲームではある。
というわけで、傑作なのでみなさんもぜひ手にとって遊びましょう。このゲームの売上が10万本に届かないまま埋もれてしまうとか、ちょっとあってはならないことだと思うんですよ…。